わびさび茶飯事

COLUMN
2025.03.28

わびさび逸品帳 vol.3|ドラマ『最後から二番目の恋』

 ドラマ好きのシュンが、「どのドラマが好き?」と聞かれた際に3本の指に入るのが、4月新ドラマ『最後から二番目の恋』シリーズだ。4月14日月曜21時〜は、第3弾として、11年ぶりにメインキャストが再集結して放送される。フジテレビの看板ドラマの時間帯である「月9」で放送されるので、まさに鳴り物入りなドラマだ。
 主演は小泉今日子さんと中井貴一さん。その他、坂口憲二さん、内田有紀さん、飯島直子さんが続投で出演をし、さらに新キャストとして、石田ひかりさん、三浦友和さんも出演される。主要キャストの年代を見てお分かりかと思うが、まさに「大人による大人向けのドラマ」が描かれるのだ。他にも、柴田理恵さんとか、森口博子さんとか、ゲイが黙ってはいられないキャスト陣も出てくるのだが、その話だけで1つのコーナーが終わってしまいそうなので、早速、シュンがこのドラマで好きな点を3つご紹介。

好きな点1:理想の「拡張家族」が描かれている

 第一シーズンから出演してるメインキャストの5名は、小泉今日子さんを除いては、4兄妹の設定だ。(ちなみに、坂口憲二と内田有紀は双子役)
 そんな4兄妹の家の隣に、東京のテレビ局でプロデューサーとしてバリバリ働いている小泉今日子演じる千明が引っ越すところから物語は始まる。最初は「お隣さん」という間柄だった5人だったが、いつの間にか、朝ごはんを一緒に食べるようになり、酒を酌み交わし、誕生日をお祝いされるような間柄になる。さまざまなことを語らい、時には言い合い、お互いをケアして、笑ったり泣いたり。
 それは側から見れば、もう十分「家族」と言える間柄だと思う。
 「家族」の定義は人それぞれでいいと思うが、決して血縁関係がつながったり、結婚したりということがなくても、「家族」という存在になれると僕は思う。
 僕は昔から、「拡張家族」という概念に憧れがある。「拡張家族」とは、血縁や制度にとらわれず、お互いの意識でつながる家族の形態のことである。ゲイは日本では結婚ができない。自治体によって、「パートナーシップ制度」を結べ、自治体単位で、家族的な存在とは認められるが、まだすべての自治体がそうではないし、法的効力があまりないので、男女の婚姻関係にある恩恵など(配偶者控除や相続など)は、受けることができない。
 ゆえに、従来の一般的な家族関係というものよりは、もっと拡張した関係性を望んでいる。(望まざるを得ないとも言える。)

 その意味で、今でこそ「拡張家族」と言われるような関係性が、まさにこのドラマでは描かれており、見ているこっちまで、同じようにその輪に入れてほしいなーと思えるような場面がたくさん描かれているのがなんてたって大好きだ。

好きな点2:それぞれの口論にクスッと笑える

 このドラマはなんといっても、言い争いというか、口論というか、そういった場面が多い。
 小泉今日子 VS 中井貴一の構図もあれば、飯島直子 VS 中井貴一の構図など、さまざまなバトルが魅力的だ。もちろん大人の口論。見ていてこちらがヒヤヒヤするようなものではなく、思わずクスッと笑ってしまうようなものが多い。ましてや、出演キャストの皆様の芸達者なところ。どこまでが台本でどこまでがアドリブなのかわからないくらい、本当に「喧嘩するほど仲がいい」といった風に見える。
 軽快なそのやり取りは、本ドラマの魅力ポイントかと思うので、ぜひチェックしてみてほしい。

好きな点3:心に刺さるセリフが多い

 先述では「クスッと笑える」と記載したが、ドラマの中には、こちらがハッとさせられたり、ホロリと泣いてしまうようなセリフもある。あれだけ騒いでいた人間が、ふっと真面目なトーンで、ものすごく心に刺さるセリフを言う。その緩急もこのドラマの魅力的なところだと思う。
 私が一番好きなセリフは、ゲイ茶の配信内でもご紹介したことがある誕生日のシーンのセリフだ。
  45歳からまた一つ歳をとるのにともない、誕生日なんて盛大に祝われたくないと恥ずかしがる千明こと小泉今日子に対して、中井貴一がこう諭す。 あまりに好きすぎるので、ここに記載させていただきます。
「誕生日には、お祝いすることが2つあるんです。
 1つはもちろん、あなたがこの世に誕生してきたこと。
 もう1つは、今あなたが元気で生きていること。
 だから、もうそんな、あの~お誕生日やるようなめでたい年じゃないんですとか、誕生日が来るのがイヤなんですって人がいますけど、あれ絶対におかしいんです。
 むしろ逆で、年を取れば取るほど、めでたいことなんです。素晴らしいことなんです!
23歳の誕生日より、46歳の誕生日の方が倍、いや、それ以上に素晴らしいことで、めでたいことだって思いません?
胸張ってくださいよ。あなたらしくもない。
だいたい、このロウソクの数は、これまであなたが、頑張ってきた証しなんです。
あなたこんなにたくさん頑張ってきたんですよ!
それを、10年を太い1本でなんて、そんな大雑把なことできません。それが、長倉家の誕生日です。」

 先日も友人宅で、ドラマの再放送の鑑賞会をやったのだが、このシーンで友人たちの前で、涙ほろりと泣いてしまった。
 
 現在、第3弾のドラマ放送開始まで、第1弾、第2弾の第1〜3話までの再放送がTVerやFODで無料でも見られる。ドラマのテイストを知りたい方は、ファーストシーズンの第1〜3話までを見れば、ドラマのテイストはわかるとは思うので、まずは気軽にTVerでご確認いただき、もし内容面を気に入ったら、いつでもどこでも好きなところで見られるFODの加入をおすすめ。私も今回のドラマの再放送を見るために、FODに加入した笑

 きっとこのドラマの話は、同じく大好きなトトメスとともに、ゲイ茶内でもしていくと思います。ぜひみなさん、お楽しみください!

書いた人
シュンMCやりたがり

東京在住40代ゲイ。本業はファイナンシャルプランナーっぽいことをしている。ドラマや映画、Podcast鑑賞が趣味。手話を勉強中。YouTubeではひたすらKPOPを追っかけている

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