わびさび茶飯事

COLUMN
2024.09.06

あえてマッキーが語る「盆踊り」

踊りが大の苦手

そう、私は踊りひいては音楽全般に苦手意識がある。

ゲイ茶内だと、
音楽といえばジャスミン
踊りといえばトトメス
と誰もが思い浮かべるだろう。

ふたりとも音楽や踊りに愛し愛され、心から楽しんでいるのが伝わってくる。
それに対して私は、どこをどう掘り下げても音楽的センスの原石は一向に見つからず、苦手意識だけが育っている。

カラオケに行けばリズムや音程は合っているかとビクビクしながら歌うし、
クラブに行けばちゃんとノレているかとヒヤヒヤしながら見よう見まねで体を揺らす有様、、

はじめての盆踊り

そんな私は自ら踊るという行為をするはずがないわけで。
 
私が盆踊りに行くきっかけとなったのはみなさんの予想通り、彼氏。
彼はトトメスほどではないにしても、ひとりでも参加するぐらいの盆踊り好き。

私はというと、子供のころに近所の盆踊りに行き、遠巻きに眺めたことがある程度。
それよりはお祭りの雰囲気が大好きで、出店で食べ歩きをしたり、金魚すくいをしたりするので大忙し。

去年はじめて彼に盆踊りに誘われた私は、内心行きたくはなかったものの断るのも申し訳なく、しぶしぶ初参戦することに。
ちなみにこの会場にはトトメスも別の友達と行くということで現地で合流。

盆踊りという羞恥行為

会場の雰囲気はまぁなんとも素敵。これぞ日本の夏って感じ。
私は鮎の塩焼きやじゃがバターを食べながら、雰囲気を味わうだけで十分なんだけど、テンションMAXな彼に引っ張られていよいよ踊ることに、、

「え、誰も振り付け教えてくれないの?!」
私が最初に思ったのがこれ。

そして、「みんななんで踊れるの?」

なぜかというと、櫓と呼ばれるステージにいる踊りのプロたちを見てみんなその場で振りを覚えているから。
まぁもちろん何度も来ている人たちは見ずとも「あーあの踊りね」という具合で体に染み付いているんだけど。

私も見よう見まねで踊ってみるが、いかんせん覚えが悪い。センスがない。
ずっとついていけないから、円の外にいる人たちに生き恥を晒している気がしてきて、絶対外側に視線は向けられない。
前の人が先に行ったかと思えば、ランダムに戻ってきたりするから、せめてぶつからないようにするので精一杯、、
そんなこんなで必死に覚えようとしてようやく感覚が掴めてきたと思ったらその曲は終わってしまい、また次の難解な曲の振りを一から覚え直し。

そんな私を見兼ねてか、彼氏やトトメスが踊りの最中に笑顔で振り返って様子を伺ってくれたり、曲と曲の合間にアドバイスをしてくれたり。
そうこうしているうちに落ちこぼれの私でもだんだん踊れるようになってくるから不思議。

中でも私が唯一自信を持って踊れるようになったのが「炭坑節」 
今やこれならどこまでも掘り進むことができそうだ。

きっと細かい間違いはあるのだろうが、それとなくサマになった私にはもう怖いものなどない。
なんだか楽しくなってきた。
あっつい夜に煌々と輝く提灯に照らされて、浴衣を着ている男女やサラリーマン、無邪気な子供たちや外国人もいっしょになって同じ振り付けで目一杯踊る。
 
「これってなんだか異様な光景だけど、すごいことじゃない?」

年代も性別も境遇も違うさまざまな人たちがこの場では仲間のように、一定の間隔を保ちながらお行儀よく円を描いて踊る。
それは盆踊りでしか味わえない一体感。

終わったときには高揚感と満足感と疲労感でいっぱいで「楽しかったー」って感極まってた。

その瞬間にトトメスと撮った一枚がこちら↓

今年もいざ盆踊りに

去年盆踊りを少しばかり克服した私は、今年は彼に誘われるがまま当たり前のように参加してきた。

今年は彼とトトメスといっしょにネオ盆踊りというものにもお邪魔した。
もちろん定番曲も流れるのだが、AdoやCreepy Nuts、ボン・ジョヴィ、アンパンマンまで流れるというなんともネオな盆踊り。

私の十八番の炭坑節がかかったときは自信満々で踊れるんだけど、それ以外はほとんど初見のものばかりでまいったまいった、、
そしてまたあのときの羞恥心が襲ってくる。

にしてもトトメスの踊りは本当に素敵。なんというか優雅。
あんな風に踊れたらさぞ楽しいだろうな。

休憩タイムにトトメスが
「Adoの唱は振りは難しいけど、サビのこの動きだけでもできれば楽しめるから」
と覚えの悪い私にしきりに何度も教えてくれる。

何回やっても上手くできない私に根気よく付き合ってくれたおかげで、音楽なしではあるもののなんとか形になってきた。

そしてもう盆踊りも終わろうかという頃、ついにAdoがきた、、!

序盤の振りはもうめちゃくちゃ。
でも私には散々練習したサビの振りがある!

サビがきた!早い!
思っていた以上に早い!
マスターした振りを披露しようと思ったときにはもうその部分は終わっている。
というかもうパニックで教えてもらった振りなんかとうに飛んだ。

母心(?)なのか振り返って私を見てくるトトメス。
サビが何度流れようが、一箇所も合わない私。
そんな私を見てトトメスがめちゃくちゃ笑ってる。
もう私も笑うしかない。

もしも今願いが一つ叶うなら
「誰か早くこの曲を止めてくれ〜〜〜」
と叫びたかった。

盆踊りの楽しさを知った私は、それと同時にさらなる羞恥も知ることになった。

でもきっと来年も懲りずに行くんだろうな。
そしてそのときも踊れない私をトトメスに笑ってもらいたい。

書いた人
マッキー恋するファッショニスタ

ファッション好きでとにかくおしゃべり、都内在住、アラフォーゲイ。ゲイ茶の中では恋愛担当かつ癒し系枠。 ここだけの話、実はあの人気BL作家「藍内蒼馬」という噂。 ほかに「マッキーの\ちょっと聴いてよ〜/」というひとり番組も配信中。
https://lit.link/mackypodcast

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