わびさび茶飯事

LIFE
2024.09.13

【新企画】古今仕事集 vol.01 シュンさんに聞いたの巻-前編


ージャスミン勝間(以下J)
古今仕事集始まりました。この番組は普段なかなか聞くことのできないゲイの方の仕事人生についてお話しいただく、お仕事ミステリー番組です。ナビゲーターは仕事収集家のジャスミン勝間です。
よろしくお願いいたします。

本日はこの方にお越しいただきました。
自己紹介お願いします。

ーシュン
はい。40歳ゲイ。
東京都生まれ、東京都在住、シュンと申します。

ーJ
本日ははるばる練馬までご足労いただきありがとうございます。

ーシュン
とんでもございません。3時間かかりました。

ーJ
・・・・。
ではまず、現在のご職業について、お伺いできますでしょうか。

ーシュン
一言で言うと、ファイナンシャルプランナーです。

ーJ
どういった仕事か教えていただけますか。

ーシュン
資産形成とか、保険、住宅ローン、税金とか年金などもろもろの個人のお金周り全般のご相談に乗ったり、何か課題点があるようであればそれを解決できる商品サービスを提供する。具体的には保険商品や資産形成の商品サービスを取り扱って、直に提供するっていうことも私の場合はしています。

ーJ
なるほど。そんなファイナンシャルプランナーとして活躍されているシュンさんですが、少しセクシャリティの側面からお伺いさせてください。
これまで仕事上で自身のセクシュアリティが良い影響を及ぼしたことや苦労したことなどがあれば教えてください。

ーシュン
苦労することはほとんどなく、今自分は金融機関に所属しているんですが、働き方としては会社員というよりも個人事業主的な働き方になっています。一人屋号じゃないけど、自分の名前で売っていきますみたいな感じなので、組織に所属しながらあんまり密にチームで動くって感じじゃないんです。
そうすると個々に動いていくので、正直、この人とは折が合わないなみたいな人と一緒にやっていくってことがほぼありません。ゲイとかに関して寛容じゃない人と一緒に働かざるを得ないことがないのはすごく良かったです。

ーJ
仕事関係の方にもカミングアウトしている状態なのでしょうか。

ーシュン
言ってる人と言ってない人がいます。自分のお客さんについては元々の知人友人が多いこともあり、僕がFacebookでカミングアウトしているから、ほとんどの人が知ってるということはありますね。

あと、ゲイとして知り合った人たちの中で、ありがたいことに相談に乗ってくださいっていう方もいて。そうすると、セクシャリティをいちいちカミングアウトしなきゃいけない煩わしさがないので、シュンさんに相談できてよかったと仰っていただくこともあります。いろんなことを本音で相談できるというのは、僕にとってはすごく自分のセクシュアリティを活かしている感じがして、良かったなと思うところですね。

ーJ
なるほど。セクシャリティによって親身に関われる部分があるんですね。

ーシュン
そうそう。セクシャリティ関係なくお金のところって重要なテーマじゃないですか。
だけど世の中的には、結婚して子供が生まれてみたいなことが一つのモデルケースとして推奨されがちになる。そこにあぶれた人たちは誰に相談すればいいのってなったときに、僕がそこに寄り添えられたらなと思ったりはしています。

ーJ
いいですね。ファイナンシャルプランナーになってからは大体どれくらいなのでしょうか。

ーシュン
2012年に転職したので13年目です。

ーJ
では、これまでの仕事人生のターニングポイントを聞いていきたいなと思うんですが、大きなトピックを事前に3つ挙げていただいてます。
まずは1つ目。

仕事量の多さ、自分の仕事のクオリティや容量の悪さに落ち込みまくった新卒時代

ーシュン
新卒時代は、今の金融機関ではなく、編集の仕事をする会社に勤めていました。
そこで自分の仕事の出来なさに落ち込んで、上司の前で悔し泣きしちゃったことがあって。
自分の仕事人生を振り返る中で、あのときの悔しさをバネに、その後の仕事を頑張っていこうと思えたので、これが一番最初に思い浮かびました。

ーJ
その編集の仕事は、やりたかった仕事だったのでしょうか。

ーシュン
編集の仕事をしたかったというよりは、その会社が人の人生全般をよりよくさせようみたいなことを謳っている会社で、その姿勢に共感し、自分もその仲間になりたいと思って入ったところでした。なので仕事内容としては正直、何か企画したりする職種に本当は行きたかったんですが、新人がいきなりそういったところには行けず手を動かす系のとこだったんで向いてなかったかなって。
人間関係はすごく良くてそこはありがたかったんですが、とにかく編集の仕事が自分に全然合ってなくて。クリエイティブ系な能力を求められるところもあったんで、もう本当にセンスがないなと思ってました。

ーJ
編集ってゆうのは具体的にどんな内容なのでしょうか。

ーシュン
主にダイレクトメールを作る仕事です。メールのデザイン、中身の文章とかを作る仕事で、一応どんなものを作るかっていうのを企画することはできたのですが、様々なデータに基づいて企画書を作り、そこから下書きを起こし、デザイナーさん、ライターさん、漫画家さんとかとやり取りをしていくということをやってたんですけど、いずれも向いてなかったです。

ーJ
どの工程も苦手だった?

ーシュン
自分がパソコンの前でいろんなデータを分析してみたいなことも全然センスなかったし、クリエイティブ面も、同期はすごく斬新なクリエイティブ力を発揮してる中で、僕は何も思い浮かばなくて。
去年のダイレクトメールをそのままパクリましたみたいなものを提出して、先輩に「何が違うの?」って聞かれたりとか(笑)

ーJ
苦手だったんですね。(笑)

ーシュン
そうですね。
当時は頑張ってやろうと思ってたけど、実際の出来上がったものを見てテンション下がるという感じでした。

ーJ
その暗黒の新卒時代を経て2つ目のターニングポイントに参りましょう。

2011年東日本大震災によって、「有限」を意識。自分の人生をまっとうしたい強い思い

ーシュン
2011年の3.11の出来事は相当自分の中でターニングポイントで、人生って有限だなってことをすごく実感したんです。自分が明日いつどうなるかわからないと思ったときに、目の前の仕事を自分はやり続けるんだろうかと考えたら、当時所属していた会社はすごくいい人間関係、いい会社だなと思いつつ、さっき言った通り自分には合わない仕事してるなと思ってたので本当に自分のやりたいことをやっていきたいという思いに駆られていきました。
そんな時たまたま知り合いから、今の仕事を声かけられて。仕事内容を聞いたときにまさにこれだ!って思ったんですよ。

ーJ
そんなにピンときたんですね。

ーシュン
それでもう迷わず転職を決めました。
元々、学生時代に後輩の就活支援したりとか、社会人なってからも母校の就活支援の活動に参画したりとかしてて、そういった相談業務に乗ることが自分の中ですごく向いているかもと思っていました。
誘われた仕事がまさに人々の相談に乗るっていう仕事だったから、それまでの企画書を作ったり、クリエイティブな仕事をするよりも遥かに自分に向いてるんじゃないかと思って、即やりたいと。
それがお金っていう分野においてだから物質的ではあるんだけど、概念的には目に見えないものというか、人々のよりよく生きるみたいなことを支援する仕事だから、それはすごくいい仕事だなって思いました。

ーJ
誘われた経緯はどういったものだったんですか?

ーシュン
大学時代の先輩のお兄さんが、周りに誰かうちの会社(金融機関)に入ってくれそうな人いないか探していたらしく。その時「向いてそう」ってことで自分を推薦してくれたんです。それでそのお兄さんから電話がかかってきて。(笑)
そのことを別の金融機関所属してる先輩に相談したら、すごくシュンに向いてる仕事だと思うよって言ってくれて。どうせだったら、自分が働いてる今の会社おいでよみたいなふうに言ってくれて今の会社に勤めることになりました。

ーJ
すごいですね。
周りのいろんな人から向いてるって話が来るのはなるべくしてなった感じがありますね。

ーシュン
ありがたいですね。だから本当に転職して、めっちゃ天職だねって、お客さんにも言われたし自分も思うことは多々あります。

ーJ
そこからファイナンシャルプランナーのしてキャリアがスタートするわけですね。

ーシュン
はい、2012年に転職してすぐ資格も習得しました。

ーJ
では次のターニングポイントといきたいところですが、長くなってきましたので 続きは後編で!

書いた人
ジャスミン不労で所得る

ゲイ茶の“濡れ場”担当。お嬢様育ちをひた隠し、ヒールに徹している。全日本失恋女子保護の会および、非営利個人彼氏確保の会、代表。

SHARE

POPULAR人気の記事

TAGいろんなタグ