前回、老後について、どのくらいの資金が必要なのかの概算のお話を書きました。
まだ読まれていない方はこちら↓
https://wabisabi-cha.com/life/574/
正直、生活水準や住居費の状況によって、ピンキリなので、一概には言えないのですが、
いったん「2000万円」という金額が必要なのでは?という算出をしましたが、実際には、その金額を用意しなくてもいいかもしれませんという主張が今回のテーマです。
”運用×切り崩し”という魔法
2000万円という金額を、たとえば、定年を迎える65歳までに用意をするとしたら、
銀行預金(金利0.1%)で用意をしようとすると、各年齢別の必要な金額は以下の通りです。
30歳から 毎月47,536円
40歳から 毎月66,584円
50歳から 毎月111,028円
60歳から 毎月333,251円
はて?無理ゲーじゃんと思う人もいると思います苦笑
もちろん、人によっては、会社にお勤めの場合、定年時に退職金が入ってきて、その退職金のことを考慮すれば、もっと少ない金額を積み立てるのでOKということもあるかと思います。
ですので、ご自身の勤め先がどのくらい退職金が出てくるか、しっかり把握することも重要です。退職金がない企業も増えてきていますからね。
なので、いかに自分で用意しなければならないか、ということなのですが、当たり前の話、別に65歳時に2000万円きっかりを用意しなければいけないのではなく、65歳以降のシニア時代、総じて必要となってくる資金が”2000万円”なので、もっと少ない金額しか貯められなかったとしても、その貯めた金額を運用しつつ、少しずつ取り崩しをしていくという戦法をとれば、”実質2000万円分”を用意できたという考え方もあると思います。
具体的にみていくと、2000万円足りない、という内訳は、90歳まで生きるとしたときに、65歳からの25年間、毎月5.5万円足りないとするならば、5.5万円×12ヶ月×25年=1,650万資金が必要で、その金額に介護費用等(350万円)もふまえると、ざっくり2000万円くらい足りないという試算でした。
65歳までにいくら貯めておけば、毎月5.5万円、25年間取り崩したとしても、枯渇しないか?
必要な資金は、お金の置き場所の想定利回り(年率)によって、かなり金額が変わってきます。
想定利回り(年率)0.01%:1,629万円
想定利回り(年率)1%:1,460万円
想定利回り(年率)2%:1,300万円
想定利回り(年率)3%:1,165万円
利回り2〜3%のところにお金を置くことができるのであれば、介護費用等350万円も別途用意しなければならないとしても、定年まで貯めなければいけない金額を、グッと減らすことができます。
利回り2〜3%も増えていく置き場所は、銀行口座では難しいですが、投資信託などの商品を使っていけば、十分可能な数値と言われています。
”運用”すれば、毎月の負担はグッと減る
仮に1300万円を65歳までに用意するならば、毎月貯めなければいけない金額は、年齢別に以下のようになります。(銀行金利0.1%だとすると)
30歳から 毎月30,415円
40歳から 毎月42,796円
50歳から 毎月71,685円
60歳から 毎月216,134円
相変わらず、50〜60歳から貯めるとなると、かなり厳しいですが、30歳、40歳からならば、冒頭にお見せした金額よりも実現可能性が高まったと思います。交際費で3万とか、飲み屋にいく人なら、全然ありえますもんねw
さらに、銀行ではなく、NISAなどの投資信託などで、運用をしながら積み立てる「積立投資」で、利回り4%で運用すると、毎月に必要な積立額は、以下のような金額です。
30歳から 毎月14,227円
40歳から 毎月25,285円
50歳から 毎月52,826円
60歳から 毎月196,081円
30〜40歳の金額であれば、自分でもできると思われる方も増えたのではないでしょうか。逆にいえば、50歳、60歳からやろうとすると、相変わらず、なかなか厳しいものがあり、こういった老後への準備は、早くからやることが重要だ、ということも伺えますね。
必要な考え方は山登りと一緒
まとめ的なことをいえば、ゲイが老後に向けてすべきことは、「毎月一定金額を4%以上の利回りのところで運用をしていき、貯まったお金を定年以降は安定的に運用されるところ(2%)で、運用しつつ、少しずつ取り崩しながら生活をしていく」ということになります。
こうした資産形成の考え方は、例えるならば、山登りと一緒と言われています。しっかりと着実な足取りで、歩みをとめず、きちんと登っていく。そして、山頂を過ぎたら、一気に駆け下りていくのではなく、安全着実な道筋で、少しずつ降りていく。そのような考え方をすれば、資金寿命を伸ばし、自分が生きている間に資産が枯渇することがないということです。
この話をすると、運用って怖い、よくわからない・・・とか、いろいろな疑問も湧いてくると思いますが、それはまたおいおいお伝えしていきます。
また、90歳以上生きるとしたらどうするの?とか、何かとツッコミどころも多いのですが、「運用して増やしていく話はよく聞くけど、資金を運用しながら、少しずつ切り崩していくということをすれば、資産寿命は伸びるという話を聞いたことがなかった!」と、昔、初めてそのことを知ったときの喜びを皆さんにお伝えしたく、今回はこのテーマを取り上げました。
資産の取り崩しのシミュレーションはこちらのサイトでできますので、よかったらいろいろといじってみてください。
https://itf.minkabu.jp/simulation/calculator
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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東京在住40代ゲイ。本業はファイナンシャルプランナーっぽいことをしている。ドラマや映画、Podcast鑑賞が趣味。手話を勉強中。YouTubeではひたすらKPOPを追っかけている