わびさび茶飯事

LOVE
2026.01.04

汝、御殿場溶けきらず

前日の深夜にほんの数時間だけ雪が降った2026年1月3日。11月にアプリで出会った人と御殿場のアウトレットにいった。1日1往復くらいのLINEのやりとりと、3回くらいの逢瀬(お茶とかご飯程度)があり、私としてはもうすこし具体的な接触がほしいところだが、12月は向こうの繁忙期で誘うタイミングを逃し、ほとんど1ヶ月ぶりに会った。

行きのバスからあれこれと話、ショッピングでもあーやこーやいいながら楽しんだし、楽しかった。

正直なところ私への温度が高い感じはしていなかったが、なんとなく続いているやりとりに彼への好意と期待はうっすらと降り積もった。「興味ない人と毎日やりとりなんて続けられない」という友人の言葉に、私はどこか疑心暗鬼ながらもその藁を掴み続けていた。

三が日の帰省の渋滞につかまり、帰りのバスは3時間かかった。

バスタ新宿について、何線で帰るか確認してくれる彼。そうじゃない。休みは明日まである。どこに着いてもいいから、同じ電車に乗りたい。

今年の目標に私は「怖がらず」を設定していた。それじゃあ今、どんな返答が来ようとも伝えるべき言葉がある。私の中の某修だって高らかに「今でしょ」とリフレインした。

「よかったらうちこない?」

彼は予想より早い速度で自分の家へ帰る旨を吐き、新宿南口の改札を抜けていった。私は、ですよねーと弱々しく放った言葉と体を引きずりながら西武線に運び込む。
彼を想って眠れない夜はなかったし、食事が喉を通らない日がないどころか年末で2キロは増量している。まぉそんなもんか。それ以上の言葉で埋まる前に天才ピアニストの漫才を再生して、笑いを堪えることに忙しくした。

明日は何しようかな。

家に着いたら、玄関前の階段には、昨日降った雪が氷になってまだ残っていた。

書いた人
ジャスミン不労で所得る

ゲイ茶の“濡れ場”担当。お嬢様育ちをひた隠し、ヒールに徹している。全日本失恋女子保護の会および、非営利個人彼氏確保の会、代表。

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